看護師になって初めて働く場所は、ほとんどの看護師が総合病院等の「病棟」であることが一番多いと思います。
しかし病棟にもいろいろあり、混合病棟もあれば単科病棟もあり、またそのような一般病棟とは違い、救急病棟やICU等の病棟もありますよね。
この記事では、一般的に忙しいと言われている混合病棟で働くメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
また実際に働くことは大変なのかどうか、私の体験談も交えてお伝えします。
今後転職を考えておられる方や、これから育休が明け復職される方、今実際に混合病棟で働いているが忙しくて大変…などと悩んでおられる方の参考になると思います。
混合病棟で働くメリットは?
混合病棟は単科病棟とは違い、複数の診療科を診ることになります。
病院によりどの診療科が一緒になっているかはそれぞれ違いますが、外科と内科が一緒になっていたり、全く関係のない診療科が一緒になっていたり等(心臓内科と眼科、等)様々です。
まずは混合病棟で働くメリットについて以下に5つ挙げます。
混合病棟で働くメリット
- 幅広い知識を学ぶことができる
- 総合的にアセスメントすることができる
- 自分の興味のある分野に出会える確率が上がる
- 臨機応変に対応することができる
- 看護師としてスキルアップできる
次に1つずつ詳しく説明していきます。
幅広い知識を学ぶことができる
混合病棟では複数の診療科の患者を受け持つため、必然的に多くの疾患について学ぶ必要があります。
また診療科によって、検査や手術、その後の経過や処置の方法等、疾患と併せて知っておくべき内容が多くあるため、幅広い知識を学ぶことができます。
そのため一度混合病棟で経験を積むと、異動や転職をしてもその知識が役に立つことが多いです。
そのほか混合病棟で勤務することで、異動や転職等をすることなく短期間で多くを学べるというメリットもあります。
総合的にアセスメントすることができる
普段から複数の診療科を診ていると、その分知識が広がるだけでなく、様々な角度から患者をアセスメントできるようになります。
単科病棟で同じ診療科の患者ばかりを診ていると、どの患者もそれぞれ病気になった背景や既往歴等は違うにも関わらず、どうしても一方向から同じアセスメントをしがちになってしまいます。
1人の患者を総合的にアセスメントできることは、どこで働くことになってもとても大切な看護師のスキルとなります。
自分の興味のある分野に出会える確率が上がる
混合病棟の場合、受け持つ患者の疾患も、その患者の検査や治療内容も様々です。
そのためその治療に合わせた看護が必要となり、必然的に様々な分野の看護を学ぶことになります。
例えば私が約4年半働いていた混合病棟は、消化器外科・消化器内科、歯科口腔外科の混合病棟だったのですが、周手術期の看護、内視鏡検査の看護、皮膚・排泄ケアの看護、化学療法、緩和ケア、慢性期の看護等、その病棟で働くことで多くの看護を学ぶことができました。
そのため、その中から自分の興味のある分野を見つけやすくなります。
自分の興味のある分野を見つけられると今後異動や転職の際にも活かすことができ、自分のキャリアにも繋げやすくなります。
臨機応変に対応することができる
上記で述べたように、混合病棟で働くことで幅広い分野の知識を身に付けることができるほか、患者を総合的にアセスメントする力が身に付きます。
その結果、患者が急変したり何か異常がみられた際も自分の知識や経験を活かしてアセスメントできるため、臨機応変に、柔軟に対応することができます。
看護師としてスキルアップできる
上記で述べたように、幅広い知識を身につけ総合的なアセスメントができる、そして様々な分野の看護を学ぶことで、看護師としてのスキルアップは期待できます。
実際に混合病棟での経験が多い看護師の方が、異動後等も即戦力として働いている印象があります。
1つの分野を極めたいというよりも、看護師として様々なことを身につけておきたいと考えている方には、混合病棟で働くことはおすすめだと思います。
混合病棟で働くデメリットは?
上記で混合病棟で働くことは看護師のスキルアップに役立つ等のメリットがあるとお伝えしましたが、デメリットとなる部分もあります。
デメリットについては以下の4つを挙げています。
混合病棟で働くデメリット
- 幅広い知識が必要となるため、慣れるまでに時間がかかる
- 多くの勉強が必要となる
- 知識が広く、浅くなってしまうことがある
- 医師や他職種との人間関係作りが難しい
以下で詳しく説明していきます。
幅広い知識が必要となるため、慣れるまでに時間がかかる
混合病棟では複数の診療科を診る必要がありますが、その診療科によって疾患や治療内容、その他のルール等が異なります。
そのため混合病棟では覚えることが単科の何倍も多いです。
よって初めは慣れるまでに時間がかかることがあります。
混合病棟を経験している方や経験年数がある方は別ですが、新人の頃は特に慣れるまでは大変かと思います。
しかし疾患や治療についての知識を身に付けた上で根拠を持って看護をすることができるようになると、テキパキと仕事をこなすことが出来るようになってきます。
多くの勉強が必要となる
上記でも述べたように、混合病棟では幅広い疾患や看護の知識を身に付ける必要があるため、必然的に多くの勉強が必要となります。
知識が広く、浅くなってしまうことがある
日々患者を受け持つ中で様々なことを経験することができますが、それについて深く学ぶところまでいかなかったり、たまにしか診ない治療内容や検査になると、何となくで終わってしまうことがあります。
その場しのぎで何とか終わった…というようなことも少なからずあるのではないでしょうか?
そうすると分かっているようで分かっていなかったりと、専門性が養われにくい傾向があります。
しっかりと知識を自分のものにすることが出来れば良いのですが、深く学ぶところまで達するには経験年数が必要でしょう。
医師や他職種との人間関係作りが難しい
働く上で、人間関係のストレスは大きいです。
特に医師と関わることは、誰もが緊張することだと思います。
しかし混合病棟では複数の診療科の医師と関わる必要があります。
また診療科や医師によっていろいろなルールが存在しているため、それに合わせることにストレスを感じる場合もあります。
混合病棟で働くことが向いている人は?
これまで混合病棟で働くメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、実際に混合病棟で働くことに向いている人はどんな人であるのか、以下に5つ挙げました。
自分が混合病棟で働くことに向いているかどうか、以下を参考にしながら少し考えてみるのも良いかもしれません。
こんな方に向いています
- 幅広くいろいろなことを学びたい人
- マルチタスクをこなしていくことが好きな人
- 自分が何に興味があるかを見つけてスキルアップしたい人
- 看護師経験がある人
- 一つのことばかりでは飽きてしまう人
私は5つ中上2つに当てはまっていました。
混合病棟で働いている時はバタバタと忙しく大変でしたが、楽しく仕事をしていたように思います。
実際に混合病棟で働いてきて感じたこと
実際に私が働いていた総合病院の混合病棟は、院内で上位1、2位を争う忙しさの病棟でした。
そのため混合病棟はとにかく忙しいというイメージを抱いていたのですが、院内のその他の混合病棟はそこまで忙しい様子ではなく、慢性期の病棟や入退院の少ない病棟だと、単科の方が忙しい場合も多くあります。
私が好きな診療科だったということも大きな要因だとは思いますが、私は混合病棟で働き様々なことを学ぶことができて本当に良かったと思っています。
様々な疾患、治療、その看護等を学ぶことができ、転職の際にも役立つことが多かったです。
まとめ
この記事では実際に混合病棟で働いた経験のある私が、混合病棟で働くメリット・デメリットや、実際に働いてみて大変だったのかどうか等、働いてみて感じたことをまとめました。
働く場所それぞれに良し悪しはありますが、自分に合うか・合わないかということも働き続けるには重要となるので、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。